ISO22000

 
 

ISO:国際標準化機構(International Organization for Standardization)

 スイスに本部を持つ 工業製品の国際規格を策定する 非政府組織。加盟国は146カ国。

 策定された国際標準規格には、ISOXXXXという名称がつけられる。現在主流であるマネジメントシステムの国際標準化機構による規格は、品質マネジメントシステムについて定めたISO9000シリーズ、環境への排出や資源削減などの環境負荷管理について定めたISO14000シリーズなどがある。その他にも、情報のコントロールには、ISO27000、労働安全衛生では、ISO18000などがある。そのISOシリーズのひとつが、食品安全マネジメントシステムのISO22000である。ISO22000は食品業界だけでなく、食品添加物、食品包装材などを扱うフードチェーン全般に関わる組織に対する要求事項についての国際規格となっている。

 HACCPシステムは製品及び製造ラインの食品安全にのみ特化しているが、ISO22000はHACCPシステムを含みながら、それを支える企業体としてのマネジメントシステムを融合している。これは、おなじISOシステムである9001が品質に特化していることと対照的である。ISO22000は9001と共通するところが多く、ISO9001を構築、運用している食品企業にとっては、その取得にかかる投資は半ば終わっていると言える。両方を取得することで食品企業は、製品に品質だけでなく安全性も付与することができる。

 食品の貿易を容易にする観点から、各国で基準がバラバラな法規制に対しては、ISOのような国際基準のルールは有用である。また、企業はその認証を受けることで、第三者機関が、ISO22000で定めた国際基準を満たしていることを示す食品マネジメントシステムが構築され適切に運用管理ができているといえる。認証の取得は取引先などからの信用を得るのに有用であり、それが取得を目指す理由のひとつなっている企業もある。食の安全を目指すシステムを規格化するにあたって、HACCPシステムがマネジメントシステムに採用されたことは妥当なことであり、その普及が期待される。HACCPシステムは、それを取り入れた国ごとに、食品産業ごとに運用面などで差があるのが実情であり、それが国際的に規格化され食品の取引が円滑になることは有用かもしれない。

 ISO22000に対しては、前提条件プログラム(一般衛生管理)が弱いという批判があった。そこでイギリスの前提条件プログラムの規格であったPAS220をISO TS22002-1として取り込むことで強化した。このISO22000とISO TS22002-1の組み合わせがFSSC22000と呼ばれている。

ISOはヨーロッパ、アジアで普及している企画であるが、アメリカではSQF(Safe Quality Food) という規格が普及している。これも前提条件プログラムとHACCPが中心に据えられていて、最終段階では食品の品質管理にも及んでいる。

 
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