総合衛生管理製造過程

 
 

 アメリカで1970、80年代に発展、普及したHACCPは、食品安全を守る方法として最良の方法とまで言われるようになった。そのため、世界各国がこの手法をそれぞれの国の食品製造を管理する手法として採用した。日本でも厚労省(当時は厚生省)が、「総合衛生管理製造過程」として食品衛生法に取り入れた。アメリカでは、肉製品などいくつかの食品に関しては全製造業者に義務化されているが、 総合衛生管理製造過程 は、それを申請した業者が厚労省から認証を得る制度である。現在のところ、次の5品目がその対象となっている。

  1. 容器包装詰加圧加熱殺菌食品(缶詰、レトルト食品)

  2. 魚肉練り製品(カマボコなど)

  3. 乳・乳製品

  4. 清涼飲料水

  5. 食肉製品

 牛乳やソーセージのパッケージで右のようなマークがついているのは、この制度の認証を受けた工場で作られた製品であるという印である。

 2015年春の段階で、約740の施設(会社単位でなく事業所単位で取得するため、会社数としてはこれより少ない)が認証を得ている。 文字通り、総合的に衛生を管理して食品を製造する過程を採用した企業に認証を与える制度である。総合の名のとおり、 管理項目が多岐にわたっている。そのため仕事量が膨大になり、現場で実施するには煩雑すぎるという批判が根強かった。食品衛生法が改正され、国連のコーデックス委員会の指針に沿ったHACCPが法制化されるのに合わせて、2020年には廃止されることが決まった。

2018/8/6


なぜHACCPは難しい(?)のか