アレルゲンPC

 

アレルゲンへの対処もこの20年位で注目度が大きくなりました。アレルギーを持つ人が増加していること、死亡することもあること、この2つがその理由です。HACCPでの管理すべきである「起きやすく、起きたとき重大」に該当します。

アレルゲンは他の化学的ハザードと異なり、意図してアレルゲンを加える製品がある、同じ工場で扱っているアレルゲンが本来はアレルゲンを含まない製品に混入する、という点が管理を異なったものにしています。

前者の場合には、表示で消費者にアレルゲンの存在を知らせる(消費者に避けてもらう)ことがコントロール手段になります。後者の場合は、工場内での交差接触*を避けることが必要です。

製品への表示が正しいかどうかを確認する作業はPCの対象になることが多く、厳密な管理を行います。パケージにアレルゲンが表記されているかを入荷時や出荷時に確認します。これはHACCPではCCPとして扱ってきたかもしれません。

交差接触の防止は、従業員の作業区域の制限、中間品(仕掛品)の取扱い規程、アレルゲンとなる原材料の管理などが挙げられます。アレルゲンを含む、含まない製品が共通して接する機器の洗浄は、サニテーション・コントロールでもありえます。こういった製造工程を超えた工場全体にわたる事柄の管理は、これまでのHACCP計画では、前提条件プログラム(PRP)で取り扱ってきました。しかしPCでは、ハザード分析でPRPで扱うにはリスクが高く厳密な管理が必要と判断した場合は、アレルゲン・コントロールで管理します。

他には、原材料に入っているはずのないアレルゲンが混入することが心配される場合も管理も必要です。例えば、米粉を納入している業者が小麦粉も作っているときなど、混入が懸念されます。リスクが高いとなれば、PCで対処します。コントロールするステップが自社内にあればアレルゲン・コントロール、納入業者にあればサプライチェーン・コントロールというのが、大雑把な分け方です。

*: PCでは、微生物の交差汚染(Cross contamination)と区別するために交差接触(Cross contact)という言葉を使います

2018/7/3