メンバー紹介

教授:若林 広行(Hiroyuki Wakabayashi)

薬学博士

東京薬科大学大学院薬学研究科博士前期課程修了


助手:神田 循吉(Junkichi Kanda)

新潟薬科大学薬学部薬学科卒業


特別研究生:3名
学部生:17名

研究テーマ


骨代謝に影響を及ぼす薬剤の検索とその予防のための時間薬物治療に関する研究

骨は何も変化していない強固な臓器に見えますが、常に新しい骨を造る骨芽細胞と古い骨を壊す破骨細胞の働きが一定に保たれており、丈夫で新しい骨を造りだしています。しかし、老化や女性ホルモンの減少などにより破骨細胞の働きに骨芽細胞の働きが追いつかなくなると、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)という病気になってしまいます。また、薬の副作用が原因で薬剤性の骨粗鬆症が発症することがあります。当研究室では、これまでに骨粗鬆症を誘発することがわかっている、ステロイド剤、免疫抑制剤、抗てんかん薬などについて、その薬剤性骨粗鬆症の発症メカニズムの解明を行っています。さらに、これらの薬剤の副作用による骨減少症、骨粗鬆症を予防・治療するための薬物治療法について、骨代謝の日内変動を考慮した時間薬物治療の導入の有用性についても検討を行っています。

加齢に伴う変形性関節症の発症と荷重に関する研究

高齢化社会となり、加齢による変形性関節症を発症して歩行障害などのQOL(生活の質)が低下する患者さんが増えています。変形性関節症とは、膝関節のクッションである軟骨のすり減りや筋力の低下が要因となって、膝の関節に炎症が起きたり、関節が変形したりして痛みが生じる病気です。現在、この変形性骨関節症に対しての薬物治療には限界があり、外科的な手術によって変形した関節の表面を金属などでできた人工の部品で置き換える手術(人工関節置換術)が効果的とされています。 そこで当研究室では、変形性骨関節症で摘出した骨試料を用い、炎症部位での骨代謝機能と荷重との関係について検討を行っています。


癌化学療法における時間薬物治療学的研究

近年、抗がん剤を用いた化学療法の進歩には著しいものがありますが、さらに安全で高い治療効果が得られる薬物治療法が望まれています。それには、抗がん剤の効果を十分に発揮させながら、患者さんの大きな負担となる副作用をできるだけ減らすことが重要となります。そこで注目されているのが、抗がん剤の時間薬物治療です。正常細胞とがん細胞との細胞増殖周期の差や薬物に対する感受性の時間的な差を利用して副作用を軽減し薬の効果を高める方法です。 実際に、この時間薬物治療法を行っている病院と共同研究を行い、がんの時間薬物治療の有用性についての検討を行っています。