社会薬学研究室

RESEARCH
研究の取り組み

研究5:ICT利活用の実態と保険薬局の潜在ニーズ

●デジタル化の進展

日本でも日常生活におけるデジタル化が進んでいますが、「デジタルディバイド」(情報格差)の存在も指摘され、その代表格が高齢者と言われています。インターネットの都道府県別利用率は、全国平均89.8%に対して、新潟県は84.0%です 1。インターネット利用目的・用途の調査は行われていますが 1、高齢者や新潟県内の個々の地域の状況は十分に把握できていません。

また、保険薬局は薬機法の改正などで服薬フォローアップが義務化され、オンライン診療・服薬指導、今年から電子処方箋やオンライン資格確認なども導入予定です。

デジタル化 ●高齢化と「無関心層」

日本の高齢化は更に進むとされ、65歳以上は全国平均で28.4%、うち75歳以上が14.7%です 2。自治体も介護やフレイル、認知症予防で通いの場の提供をしていますが、参加率は4.2%と極めて低く 3、なかなか行動を起こそうとしない「無関心層」に対して如何にアプローチすべきかが課題の一つです。一方、60代で約6割、70代以上では約7割は医療機関に通っており 4、多くは保険薬局も訪れていることが推測されます。

高齢者背景

●保険薬局による地域貢献

保険薬局は「患者のための薬局ビジョン」5に沿った疾病予防などの健康サポート機能や地域貢献活動も求められています。地域住民における保険薬局に対するニーズ調査は一部地域で行われていますが 6、新潟県における報告は見られません。

 

以上の背景より、高齢者によるデジタル機器の活用状況と保険薬局に対する潜在的なニーズなどを新潟県内各地で調査することによって、生活の一部である保険薬局から無関心層に対するアプローチの可能性を検討したいと考えています。新潟県内の地域間比較も行い、各地域事情に合わせた保険薬局のあり方を考えて参ります。

 本調査より得られた知見を自治体や保険薬局と共有し、積極的に連携を図っていくことによって、身近で信頼される薬剤師が皆様の健康を支える地域づくりのために役立てていく予定です。

課題解決のためにできること

1 2019年通信利用動向調査(総務省)
2 令和2年版高齢社会白書(内閣府)
3 H30(2018)年度 社会保障審議会医療保険部会資料(厚生労働省)
4 H28(2016)年度 国民生活基礎調査(厚生労働省)
5 厚生労働省. 患者のための薬局ビジョン. 2015
6 H30(2018)2月薬局ニーズに関するアンケート(千葉県)

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