食品安全学と食品の安全管理で

取れる2つの資格

 

HACCP管理者

  1. 「食品安全学」の単位を取得した受講者を、「HACCP管理者」と認定してきました。これは総合衛生管理製造過程という、厚労省がつくった食品の安全管理の認証制度に必要とされる人材です。厚労省は、一定の内容を的確な人材が行う24時間の講習を受講することを要件としており、「食品安全学」の内容はこれを満たしています。本学と同様の講習をいくつもの民間団体が行い、認定証を発行しています。2020年には、HACCPが食品衛生法で義務化されるので、従業員にこの資格を取得させる食品企業が増えています。


PCQI(Preventive Controls Qualified Individual: 予防コントロール有資格者)

  1. 米国のFood Safety Preventive Controls Alliance (FSPCA)が認定する、食品安全強化法が定めた資格です。米国での食品の生産、日本からの米国への食品の輸出には、これを持った人材が工場にひとりいることが求められます。これはHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point: 危害要因分析と必須管理点)を進化させたものです。取得には、以下の要件を満たすことが必要です。


  2. FSPCA発行のテキストを使った講義を受けること

  3. すでに日本語訳がAmazon On Demandで購入可能ですが、英語版のPDFはFSPCAのサイトから無料でダウンロードできます。日本語版は現在校正作業中で、作業が終われば無料で入手できますが、いつになるか2009年4月の段階では不明です。授業を受けるには、Amazonから購入するか、間に合えば(もしくは英語版を読みこなせれば)PDFでも構いません。


  4. ・総計20時間以上のPCQIトレーナーによる授業を行うこと

  5. 「食品安全学」も「食品の安全管理」もこの要件を満たしています。実際にはPCQIの講義内容は実務的で経験の乏しい学生には難しいのですが、20時間のPCQIをした残りの時間で、HACCPとの違いを解説することで2つの資格を発行します。そのためには微生物の講義時間を短くする必要があり、応用生命の受講者は「食品微生物学」、薬学の受講者は「感染症と微生物I、II」の単位をとっている人に限ります。応用生命の浦上はPCQIトレーナーです。加えて、ネットにアップロードた予習・復習のビデオを見てもらうことも考えています。


  6. ・すべての時間に出席すること

  7. FSPCAの定めた基準です。通常の講習会は3日間集中で行われるので、部分的に欠席する人を想定していません。



  8. なお認定証の取得には、受講生各人がFSPCAに50米ドル支払う必要がありますが、これは大学で代行します。しかしトラブルの時には、FSPCAとの英語でのメールのやり取りが必要なことがあります。


  9. HACCPと予防コントロールなどに関しては、食品安全学研究室のホームページに解説があります。


  10. http://www2.nupals.ac.jp/~fmfsc/FSL/Food_Safety_Lab.html