HACCPと前提条件プログラム

 

安全な食品を作る方法として、多くの食品製造業で採用されている手法は、大きく分けて2つあります。この2つは管理する方法が異なるので、保管し合う間柄にあります。

1 一般的な衛生管理 = 前提条件プログラム
2 工程管理による製造管理 = HACCP

1 の衛生管理は、製造現場の衛生度を高くすることで食品の安全を守るもので、次のような事柄などが含まれます。
 工場の立地(草ボウボウで虫やネズミの多いところを避ける)
 設備、装置(衛生度を保ちやすい、清掃・消毒がしやすいもの)
 清掃と消毒(製造現場、設備、装置、危惧などの清掃と消毒)
 従業員教育(食品安全についての教育)
 従業員の個人衛生(手洗い、下痢などの時は製造現場に出ない)
 衛生的な作業や輸送

以上が高い水準に保たれていると、製造現場に病原菌やゴキブリがいるとか、従業員が手も洗わずに作業するといったことがなくなります。安全な食中毒を起こさない食品を作るための前提となる条件です。

この前提条件が整えば、かなり安全性が期待できます。しかし製造工程の中には安全に必須なステップがあります。そのステップを見きわめて重点的に管理すると、安全が大きく向上します。そのやり方をHACCPといいます。

HACCPは世界的にやり方がほぼ決まっており、そのやり方を習得した人が管理を行います。このやり方は1960年代にアメリカで開発され、その後の実績から世界中の国で、食品を製造する企業には義務になっています。

日本でも、2021年には義務化が始まるようです。そうでなくとも、HACCPでの管理を取引の条件にするスパー、コンビニなどが増え、食品製造業での会社発展の鍵になるという認識が広がっています。

アメリカでは、HACCPの発展形である「予防コントロール」という手法を開発し、2017年から義務化しました。これはHACCPに加えて、重要度の高い前提条件プログラムをHACCPと同じように厳密に管理する手法です。アメリカに輸出している日本の食品企業にも義務となっています。


2018/8/23