平成27年度 日本生化学会 関東支部例会 / 第56回 新潟生化学懇話会

開催趣旨

 日本生化学会関東支部例会は、関東および新潟の生化学会会員の交流による生化学の発展のために、毎年6月頃に様々な地域を巡りながら開催されています。平成27年度は、新潟生化学懇話会との合同会として、新潟市において行われます。合同会は2006年に初めて開催され、今回で3回目となります。
 新潟生化学懇話会は、新潟大学医学部第一生化学教室の緒方規矩雄先生の発案により、新潟地震の年、1964年の9月に第1回が開催されました。新潟地区の生化学者の交流の場として、30名程の集まりで始まった懇話会も、今では参加者100名を超えることもあり、今年で51年目を迎え第56回となります。

 今年の合同会では特に「テーマ」を設けず、様々な分野の先生方から様々な話をして頂く予定です。新潟生化学懇話会の慣例に従い、退職される先生方、新潟に新たに赴任された先生方に話をして頂き、また、関東からも第一線で活躍されている若手の先生方をお招きし講演して頂く予定です。お昼には、ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社によるランチョンセミナーも予定しています。
 一般演題(口頭発表およびポスター発表)も募集していますので、新潟県外の会員の皆様も奮ってご応募願います。また、若手研究者への奨励賞も準備しており、学部学生や大学院生を含め多くの若手の参加をお待ちしています。

 昨年、長岡技術科学大学の古川清先生から新潟生化学懇話会の歴史を紐解くよう仰せつかり、古い資料を調べていて、「会の終了後、簡単なパーティーを行って懇親の実を挙げることにした」との記述を見つけました。そして、この記述はFrançois Jacobの “night science”を思い起こさせました。miRNAやlncRNAの存在も既に予言していたoperon説誕生(F. Jacob and J. Monod, J. Mol. Biol. (1961) 3, 318)の50周年記念にScience誌に寄稿して、Jacobは以下のように書いています。

「Our breakthrough was the result of “night science”: a stumbling, wandering exploration of the natural world that relies on intuition as much as it does on the cold, orderly logic of “day science.” In today’s vastly expanded scientific enterprise, obsessed with impact factors and competition, we will need much more night science to unveil the many mysteries that remain about the workings of organisms.」(http://www.sciencemag.org/content/332/6031/767.full)
 長い廊下の一方の端のラボでJacques Monodが研究していたβ-galactosidase発現誘導の現象と、もう一方の端でJacobが携わっていたprophageの誘導現象との間の重要なanalogyに気付いたことによる彼らのbreakthroughは、直観頼りのnight scienceから生まれたのだそうです。
 昼の部の講演会に続く夜の部の懇親会では、生化学を様々な側面から探求している古い世代、若い世代の参加者の皆さんが、分野や世代を超えた交流を通してnight scienceの実を挙げて頂けるものと信じています。もちろん、night scienceを促進するための新潟の本物の枝豆とビールを準備することも、代表世話人の大事な責務の1つであることは正しく認識しています。では、新潟でお会いしましょう!

平成27年度日本生化学会関東支部例会
第56回新潟生化学懇話会
代表世話人 梨本正之
主催 日本生化学会関東支部
共催 日本生化学会
新潟薬科大学

世話人

梨本正之(新潟薬科大学 健康・自立総合研究機構)
皆川信子(新潟薬科大学 薬学部)
関峰秋(新潟薬科大学 健康・自立総合研究機構)
野崎浩文(新潟薬科大学 健康・自立総合研究機構)
小室晃彦(新潟薬科大学 薬学部)
川野光興(新潟薬科大学 応用生命科学部)
宮本昌彦(新潟薬科大学 薬学部)
冨塚江利子(新潟薬科大学 薬学部)

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